手。

手をつなぐ強さをこのまま信じてる
そう歌ったのは誰だったかしら？

かつてあなたがとってくれた
私の手は今なお冷たくて

それはきっと想いを伝えられていない所為
手をつなぐだけで
想いが伝わってくれたらいいのに

不思議。

あなたがいなくなって
しばらくの時間が経って。

最近。
あの頃出来ていたことが
できなくなっていて、不思議。

だからといって、
心にぽっかりと穴が開いたみたい
なんてことはないから、もっと不思議。

そういえば、
あなたがいないから悲しいのに
涙を流さないのも、不思議。

たぶん、
そこそこ楽しく過ごしている筈なのに
笑っていないのも、摩訶不思議。

ありえないことだけど、
もしもまたあなたに会えたなら。
たくさんの不思議は解決するかもしれない
そんなことを言われたけれど。




でも　もう会えないわね。

真か、偽か。

あなたの前では演技している私
あの頃　私を演じてばかりいたから
もう今更　幕引きなんて訪れない

でも　とてもとても愛しいあなた
好きで好きでしょうがないあなたも
演技を崩そうとはしないわね

素のあなたが見たいと思う
でも　私はあなたに素なんて見せられない
嫌われたくないってずっと思ったままだから

そして　どうでもいいような
嫌われても構わない
って思っている　あの人達には
素ばかり見せている
だからきっと嫌われているでしょうね

でもきっと
あなたとこのままでは
哀しすぎて　一緒には居られない
でもずっと一緒に居たいのよ

どうすればいいかしら？
悩んでいるうち
演技の自分と素の自分
どちらがどちらか判らなくなる

どっちが本物？

存在価値。

ねぇ　知ってる？
君の存在は無意味だってコト。

誰も君なんか必要としていないし、
他のヒトが居るのなら、不要な存在。
日食にあった月みたいに
太陽の後ろにいるしかないんだよ。

誰も必要としていないんだし、
必要とされてるって思うなら、それは只の幻想。
そもそも陽に当たらなければ
月は輝かないんだから。

君みたいな人間
いくらでも代わりは居るんだよ？
ねぇ。
それで君は辛くないの？

嘘。

あなたの嘘はやさしかったから
私はむしろ　あなたの嘘は好きだし
とても容易く信じていた

そうして　あなたの言を嘘と気付き
哀しむばかりの私を
あなたは笑ってくださる？
慰めてくださる？
馬鹿にしてくださる？
それともさらに
欺いてくださるのかしら

それでもきっと　私は平気
だってあなたなんてもう信じないから